21世紀は乳がんの時代です。しかも40~50代の女性に発症しやすく進行が早く、早期発見が大切です。幸い、他のがんと異なりある程度自分で発見できます。さらに、最近の乳房X線装置(マンモグラフィ)や超音波装置の進歩は目覚しく、早期乳がんの発見が可能になりました。乳がんの治療も大きく変わり早期であれば、きれいな乳房を残せます。日本乳癌学会乳腺名誉専門医として、患者様、ご家族の意向を尊重しつつエビデンスに基づいた診断と治療を提供できるよう日々心がけています。
*外科・乳腺科は完全予約制となっております。予約時間に遅れる場合にはお電話にてご連絡をお願いします。
場合によっては予約をお取り直しいただくこともあります。ご理解のほどよろしくお願いします。
乳癌は女性のがんの中では最も多いがんで、9人に1人がかかると言われています。最近は、生活の欧米化、特に食生活の欧米化によって乳がんは激増し、若年化の傾向も見られます。さらに、70歳以上の乳がんが増加し、あらゆる年齢層に増加しつつあります。
乳がん検診の目的は、乳がんによる死亡率を減少させることです。そのためには早期発見・早期治療がとても重要です。早期の乳がんは症状がほとんどなく、自分自身で気づくのは難しいと思われます。乳腺専門医でないと見落とされていることもあるのが現実です。
自覚症状がなくとも、乳腺専門医による画像診断を含めた定期的な検診を受けていただくことがとても重要です。
乳がんのリスクが高い女性の特徴は以下のものがあります。
乳腺症は女性ホルモンのアンバランスで、乳腺がこの影響を受けると、乳房に小さなしこりができることがあります。治療の必要性がない場合がほとんどですが、一部に乳癌との鑑別を要する場合があり、穿刺(細い針を刺すこと)し針生検(組織診断)が必要なことがあります。乳腺症と診断されても、半年〜一年に一度の検診を受けられることを推奨しています。
乳腺炎とは、乳腺に炎症や細菌感染を起こし、赤く腫れたり痛みや熱感を伴う状態です。出産後に乳汁が乳房に溜まり、炎症を起こします。とくに初産の際に多く見られ、出産後数日の間に症状があらわれます。引き起こされる症状としては、乳房全体の腫れや赤み、痛み、熱感、しこりなどがあります。授乳中に痛みをともないますが、授乳をやめるとさらに乳汁がたまって痛みが増すとされています。
また、乳管や乳頭にできた傷から細菌(連鎖球菌や黄色ブドウ球菌など)が感染して炎症が起こることもあります。症状としては、乳房が赤く腫れ上がったり、強い痛みが生じたりします。しこりを感じることもあり、高熱や腋窩リンパ節の腫れや痛みを伴う場合もあります。
乳腺に発生する良性の腫瘤の中では最も高頻度にみられます。しこりの大きさは小豆から鶏卵程度です。痛みはなく、触れると動き、境界ははっきりしていることが多いです。しこりは片側または両側の乳房にでき、1個~複数個できることもあります。乳腺線維腺腫と診断されても一年に一度は検診を受けることを推奨しています。
検診センターで要精査と言われた方に対して当院で精査を行います。また、他クリニックで経過観察と言われたがどうしても心配な方の受診も多く、遠方から来院される方も多数おられます。
超音波診断装置です。
痛みがなく、患者さんの身体の負担が少なく、リアルタイムに体内を画像化できます。
乳がんの診断には欠かせない機器となります。
受診者が安心して検査を受けるためにはどうすれば良いか。
このテーマで女性スタッフが中心に開発した日本人の特性に合わせたマンモグラフィ装置です。
乳がんや乳腺症など、乳腺におこるさまざまな病変の発見や診断に役立つ検査です。
40歳以上の方に推奨されています。
この検査では圧迫板で乳房を薄く伸ばして撮影するため、痛みを伴うことがありますが、なるべく多くの部分を良い画像で撮影するためです。X線を使用するため、妊娠中の方は受けられません。
超音波を用いて骨の検査を行うので、放射線被曝の心配がありません。
骨粗しょう症は、骨がスカスカになり骨折を起こしやすくなる病気です。厚生労働省の「老人保健法による骨粗鬆症予防マニュアル」で 骨粗鬆症の測定法のガイドラインとして認定された装置です。
年度 | 2009~2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
乳腺 | 696 | 68 | 59 | 56 | 45 | 924 |
血管外科 | 1153 | 67 | 60 | 39 | 33 | 1352 |
皮膚疾患 | 2116 | 184 | 179 | 147 | 115 | 2741 |
合計 | 3965 | 319 | 298 | 242 | 193 | 5017 |